平成25年度は、厚生労働省関連の助成金が多く改正される予定になっています。改正内容は多岐にわたることが見込まれており、今後、平成25年度の予算が成立した時点で施行される見込みのものがパブリックコメントとして出されました。その概要は以下のようなものであり、予算成立後に出されることが見込まれています。
1 労働移動支援助成金
再就職支援給付金の名称変更
助成金全体の整理合理化にあたり、他の助成金との整合性をとるため、「再就職支援給付金」の名称を「再就職支援奨励金」に変更する。
2 定年引上げ等奨励金
(1)定年引上げ等奨励金の廃止
高年齢者労働移動受入企業助成金を廃止する。
(2)高年齢者雇用安定助成金の創設
高年齢者活用促進コースを創設する。
高年齢者労働移動支援コースを創設する。
3 トライアル雇用奨励金
試行雇用奨励金の改正
これまでは中高年齢者、若年者等の対象者ごとの制度としていたが、奨励金・助成金の整理・統合の観点等から、制度の一本化(障害者トライアル雇用を除く。)を図った上で、名称を「トライアル雇用奨励金」に変更する。
4 地域雇用開発助成金
(1)地域雇用開発奨励金の創設
地域求職者雇用奨励金、地域再生中小企業創業助成金を整理・統合し、地域雇用開発奨励金とする。
(2)地域求職者雇用奨励金の廃止
(1)の「地域雇用開発奨励金」に一部を統合するため、廃止する。
(3)地域再生中小企業創業助成金の廃止
(1)の「地域雇用開発奨励金」に一部を統合するため、廃止する。
5 通年雇用奨励金
通年雇用奨励金の改正
季節労働者の移動就労に係る経費、休業に係る経費及び試行雇用終了後の常用雇用に係る経費に対する助成について、平成25年までの暫定措置の期間を3年間延長する。
6 両立支援助成金
(1)子育て期短時間勤務支援助成金の改正
支給額及び支給人数について、これまでの常用労働者数(100人以下又は101人以上)による区分を「中小企業事業主」の該当の有無による区分に変更する。
(2)事業所内保育施設設置・運営等支援助成金の改正
①設置費及び増築費
以前は一括支給していた設置費・増築費を1年目及び3年目から5年目までのいずれかの年(2回目は支給要件を全て満たした場合のみ)の2回に分割して支給するよう変更する。
② 運営費
各年に要した費用に基づき支給していたが、各年に要した費用から保育料相当額を控除した額に基づき支給するよう変更する。
(3)中小企業両立支援助成金
①代替要員確保コースの改正
支給対象を、中小企業事業主に変更する。
また、両立支援の実効性を高めるため、女性の活躍促進について事業主が数値目標を含む内容の目標を宣言し、当該数値目標を達成した場合は、1企業当たり1回に限り、所定助成額に5万円を加算する。
②期間雇用者継続就業支援コースの創設
育児休業取得後の継続就業率の低いパート・派遣等の期間雇用者の育児休業取得を促進するため、期間雇用者の育児休業取得後の継続就業を支援する「期間雇用者継続就業支援コース」を創設する。
また、両立支援の実効性を高めるため、女性の活躍促進について事業主が数値目標を含む内容の目標を宣言し、当該数値目標を達成した場合は、1企業当たり1回に限り、所定助成額に5万円を加算する。
③休業中能力アップコースの改正
支給対象を、中小企業事業主又は構成事業主の過半数が中小企業事業主である事業主団体に変更する。
また、両立支援の実効性を高めるため、女性の活躍促進について事業主が数値目標を含む内容の目標を宣言し、当該数値目標を達成した場合は、1企業あたり1回に限り、所定助成額に5万円を加算する。
7 人材確保等支援助成金
(1)中小企業労働環境向上助成金の創設
今後の我が国の雇用創出の主な担い手である健康・環境・農林漁業分野の中小企業において、「働きやすい職場づくり」、「働きがいのある職場づくり」を促進するため、中小企業労働環境向上助成金を創設する(制度趣旨や助成対象が類似・重複している中小企業人材確保推進事業助成金及び介護労働環境向上奨励金は廃止する。)
(2)介護労働環境向上奨励金の廃止
中小企業労働環境向上助成金に一部を統合するため、廃止する。
(3)建設労働者確保育成助成金の創設
平成22年度行政事業レビュー公開プロセスによる「事業の廃止」との評価結果を踏まえ、建設教育訓練助成金及び建設雇用改善推進助成金を廃止し、今後の建設業の課題である「若年者労働者の確保・育成」及び「技能継承」に支援の重点を置く必要があることから、建設労働者確保育成助成金を創設する
(4)建設教育訓練助成金の廃止
建設労働者確保育成助成金に統合するため、廃止する。
(5)建設雇用改善推進助成金の廃止
建設雇用改善推進助成金を廃止する。
8 キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金の創設
有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者等の企業内でのキャリアアップを促進するための包括的な助成措置として、新たにキャリアアップ助成金を創設する。
9 障害者雇用促進助成金
(1)発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金の創設
事務手続きが同様である事業を統合し、事業主の事務負担を軽減・簡素化等していくことが必要であることから、発達障害者雇用開発助成金及び難治性疾患患者雇用開発助成金を廃止し、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金を創設する。
(2)発達障害者雇用開発助成金の廃止
「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金」に統合するため、廃止する。
(3)難治性疾患患者雇用開発助成金の廃止
「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金」に統合するため、廃止する。
(4)精神障害者等雇用安定奨励金の創設
制度趣旨や助成対象が類似・重複している助成金を統廃合することにより、事業主の事務負担の軽減・簡素化等を行う観点から、精神障害者雇用安定奨励金及び職場支援従事者配置助成金を廃止し、精神障害者等雇用安定奨励金を創設する。
(5)精神障害者雇用安定奨励金の廃止
「精神障害者等雇用安定奨励金」に統合するため、廃止する。
(6)職場支援従事者配置助成金の廃止
「精神障害者等雇用安定奨励金」に統合するため、廃止する。
(7)中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金の創設
障害者雇用の取組が遅れる中小企業における障害者雇用の底上げを図るため、重度障害者多数雇用施設設置等助成金及び特例子会社等設立促進助成金を廃止し、中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金を創設する。
10 キャリア形成促進助成金
キャリア形成促進助成金の改正
雇用する労働者に対し、若年労働者のキャリア支援・成長分野での人材育成といった政策課題に対応した訓練を実施する事業主に対し、当該訓練に要した経費の2分の1及び当該訓練期間中に支払った賃金の額のうち、1時間当たり800円の助成等を行う。
有期実習型訓練を受けさせる事業主を、支給対象事業主から除く。
中小企業雇用創出等能力開発助成金については、政策課題対応型訓練等で対応が可能となるため、廃止する。
11 実践型地域雇用創造事業等
戦略産業雇用創造プロジェクトの創設
12 認定訓練助成事業費補助金制度(東日本大震災関連)
認定訓練助成事業費補助金制度の改正
東日本大震災の被災地への特例措置について、平成25年度末まで延長するものとすること。