全国の労働基準監督署が、平成24年4月から平成25年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が不払いになっているとして労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業で合計100万円以上となった事案の状況が取りまとめられました。
【賃金不払残業の是正結果】
・是正企業数1,277企業(前年度比 35企業の減)
・支払われた割増賃金合計額104億5,693万円(同41億4,264万円の減)
・対象労働者数10万2,379人(同14,623人の減)
・支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり819万円、労働者1人当たり10万円
・割増賃金を1,000万円以上支払ったのは178企業で全体の13.9%、その合計額は72億2,259万円で全体の69.1%
・1企業での最高支払額
「5億408万円」(卸売業)次いで「3億4,210万円」(製造業)、「2億9,475万円」(金融業)
労働基準監督署には、労働者本人だけでなく、家族の方などからの通報や窓口相談により、サービス残業等に関する相談件数が多数発生しており、労働基準監督署は、これらの情報を受け、企業に対し監督指導が実施されます。
いきなりの調査で、未払賃金の支払命令が下ると、企業の財政悪化だけでなく、他の社員の士気の低下、風評被害等の間接被害に広がる可能性があります。
企業の対策としては、就業規則等の整備とともに、タイムカード等の労務管理の運用について再確認する必要があるでしょう。
厚生労働省HP「監督指導による賃金不払残業の是正結果」
労務管理の運用見直しは、「創夢パートナーズ」へ