先日公表されました「今後の労働時間法制等の在り方について(報告書骨子案)」から多くの会社が影響を受けると思われる年次有給休暇の取得義務化について取り上げます。
報告書の骨子案では、以下のとおり記載されております。
1)年次有給休暇の取得率が低迷している実態を踏まえ、年次有給休暇の取得が確実に進むよう、年●日間の年次有給休暇の時季指定を使用者に義務付けることが適当。
2)具体的には、労働基準法において、計画的付与の規定とは別に、有給休暇の日数のうち年●日については、使用者が時季指定しなければならないことを規定することが適当。
3)ただし、①年●日間以上の年次有給休暇の計画的付与を行っている場合、②当該年に新たに発生した年次有給休暇の▲割以上の日数を取得した場合、使用者は上記の義務を果たさなくてよいものとして取り扱うことが適用。
4)なお、使用者は上記の時季指定を行うに当たっては、①年休権を有する労働者に対して時季に関する意見を速やかに聴くよう努めなければならないこと、②時季に関する労働者の意思を尊重するよう努めなければならないことを省令に規定することが適当。
今回の案は、年次有給休暇の一定割合を強制的に取らせるものですが、もともと労基法には、「年次有給休暇の計画付与」と呼ばれる制度があり、これを一定の日数を限度に企業に義務付ける制度ともいえます。既に「年次有給休暇の計画付与」を導入している企業や、年次有給休暇の取得率が一定以上の企業は、この義務が免除されることとなります。
パート等にも有給休暇はあります。現時点では、対象となる従業員は不明ですが、パート等も今回の案の対象となると、パート等を多く抱える企業では、賃金の負担が増える可能性もでてきます。
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