先日公表されました「今後の労働時間法制等の在り方について(報告書骨子案)」から、昨年話題となっております残業代ゼロ法案のホワイトカラーエグゼンプションを取り上げます。
今回の報告書骨子案では、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)の創設」とされております。
1)目的
時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため
2)対象業務
・金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等の高度な専門的知識等を要し、業務と従事した時間と成果との関連性が強くない業務を省令で規定する。
3)対象労働者
年収が1,075万円が確実に見込まれ、使用者との間で書面による合意に基づいて職務の範囲が明確に定められている者。
4)健康管理時間、長時間労働防止措置(選択的措置)、面接指導の強化等
・「事業場内に所在していた時間」と「事業場外で業務に従事した場合おける労働時間制」との合計を把握した上で、長時間労働防止措置や健康・福祉確保措置を講じることが適当。
・長時間労働防止措置として労使委員会において5分の4以上の多数の決議で以下のような措置を講じることが適当。
①24時間について継続した一定の時間以上の休息時間を与える。
②健康管理時間が一か月について一定の時間を超えない。「一定の時間」については、省令で規定。
③4週間を通じて4日以上かつ1年間を通じ104日以上の休日を与える。
柔軟な働き方を実現するための制度ですが、対象業務が特定されることと、年収1075万円以上という要件だけをみてもかなり限られた範囲内での運用となるため、制度を導入するのはかなり難しいものとなるでしょう。
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